頭の中はこんなもんです。
訳者解説 / 2009年11月3日
以前のこのブログでも取り上げた事がある著者;山形浩生氏の新作(?)です。
なぜ(?)がつくかと言うと、この本の中身は著者が翻訳に携わった既刊本の解説部分だけをまとめた物だから。
翻訳者の解説文だけで一つの独立した読み物として成り立つのか?という危惧は当然あるのですが、これがなかなかどうして面白い物になっています。
「本編よりも雄弁な”解説”」という帯のコピーに偽りはありません。
原著の著者の発する言葉や、思いや、その思考に至るまでの過程にまで思いを馳せている山形氏の真摯な態度に好感が持てます。
また、原著の著者に対する思いだけでなく、読者に対しても”伝えたい”、”伝わってほしい”という強い思いが、彼の解説からはびしびし伝わってきます。
言葉遣いが横柄だったり、例が常識はずれだったりするところが読者の鼻につくことがあるのだとは思いますが、「一読の価値あり」の本だと思います。