頭の中はこんなもんです。
「粋な服を着てるね」は、褒め言葉ではない。 / 2011年10月13日
僕の住んでる地域では、「粋な服を着てるね」は、決して褒め言葉ではない。
この場合、”粋”は”いき”ではなく、”すい”と読む。
「”すい” な味やなぁ」「”すい”な格好やなぁ」というのは、「美味しいなぁ」「格好いいなぁ」ということでは決してなくて、「変な味やなぁ」「奇妙な格好やなぁ」ということを意味する。
大阪弁で言うところの”けったいな”に近いニュアンスだ。
んじゃ、なんで”けったいな”ことに対して、”粋な”なんてことをいうのか?
人は行きがかり上、あるモノに対して決して低い評価を下すことができないケースがある。
プレゼントやお土産をもらった時とか、友人が新しく買った服を喜んで自慢してる時とか、友人が子どもに何とも珍しい名前を付けた時などがこれにあたる。
そんな時にこの「粋(すい)な〜」が機能する。
「粋なプレゼント」「粋なお土産」「粋な服」「粋な名前」と表面上は高評価のように取り繕っていながら、実はその言葉の裏には「私は無粋なもので何が良いのかさっぱりわかりませんが・・・」という前置きが隠されていて、決して高い評価をしているのではないということだ。(と、僕は思っている。)
社会の人間関係は複雑で、人の気持ちも複雑に絡み合っている。
そんな複雑な人間関係や気持ちを表す言葉もまた、微妙なニュアンスを含んでいるものだと、”粋(すい)”という言葉を目にするたびに思うのでありました。
こんなところにこういうことを書くと、これ以降、人に「粋(すい)ななぁ・・・」とは言えなくなっちゃうか?
このお話は、あくまで僕の地元のごく狭いエリアローカルの話、ということで・・・。
僕はスティーブ・ジョブスに関する本を読んだことがない。 / 2011年10月10日
思い返してみると、僕はスティーブ・ジョブスに関するいわゆる伝記っぽい本を読んだことがない。
彼のプレゼンやインタビューを漏らさず聞きたいとも思ってきたし、 昔は雑誌、今はネットで彼の言葉を追い続けてきたのに・・・だ。
で、考えてみると、僕は彼の言葉そのものや、彼が生み出したプロダクトに惹かれているのであって、誰かの解説やフィルターを通したスティーブ・ジョブスの解釈にはあまり魅力を感じないようだ。
渋谷陽一氏は『メディアとしてのロックンロール』で「デビッド・ボウイと十年連れ添った奥さんよりも、かれのアルバムを三十分聞き込んだオレのほうがかれのことがよくわかるのだ」と言われたそうだが、それと同じように、「解説を通じて彼を知るよりも、Macに、iPhoneに日々接している僕の方がよっぽど彼のことがわかるのだ」と思う。
彼が生み出したプロダクトには、一人ひとりの生活や人生(英語で言うLifeですな)と向き合う、そういうデザインがあったように思うのです。
ありがとう。スティーブ・ジョブス。 / 2011年10月7日
Appleの創業者で元CEO、スティーブ・ジョブズが亡くなりました。
ただの一アップルユーザーでしかない僕ですが、やはりショックです。
最初は友人が持っていたSE30に憧れて、悩みに悩んではじめて買ったパソコンがCentris 610。
1993年のことです。
その後、ロジックボードアップグレードでPower Macintosh 6100/60AVにアップグレードして、2004年頃まで現役で働いてくれました。
それ以外にも、Powerbook DUO 230、PowerBook DUO 2300c、LC520、Newton MessagePad 130、初代iMac×2、PowerBook G4、MacBook、現行iMac・・・と、僕のMac歴は途切れることなく続いています。(中古で手に入れたSE30も持ってるし、MagicCapなんてのもあったなぁ)
こうやって振り返ってみると、結構貢いでますね(笑。
この購入歴の途中からは、アップル製品の販売やサポートをして稼いだお金で購入していたわけで、僕の人生に大きく影響を与えられたことに間違いありません。
んじゃ、Apple製品が好きってこと?っていうとこれがそれだけでもなくて、当時勤めていた会社で、ワークステーションの選定をしなきゃいけない時に「これがいい!」と目をつけたのが(採用されなかったけど)NeXTSTEPのマシンだったり、とても惹かれたショートムービーがPixarのアニメーションだったり・・・。
当初はどちらもスティーブ・ジョブスの手がけた会社だと知らなかったので、あとで知った時には勝手に縁を感じました。
僕が彼に一番近づけたのは、東京の幕張で開かれたMacWorld Expoで、基調公演後、展示会場のAppleブースに現れたジョブス氏の背中をポンポン!と叩いた時です。
(今思うと大変失礼なことをしたなぁと反省しています。)
彼と直接話したことはないけれど、直接姿を見たこともMacWorldとWWDCの2回だけしかないけれど、彼が生み出したプロダクトは、僕にとって特別でした。
彼がいなければ、僕は今の仕事をしていることはなかったでしょう。
彼は世界を変えるついでに僕の人生も変えてくれたわけで、 The Beatlesに間に合わなかった世代の人間として、彼と同じ時代に生まれ、一人の人間のキャラクターが世界を変える過程を目の当たりにできたことを幸運に思います。
そして、Appleを僕に教えてくれた野田さんをはじめ、今の僕にいろいろな影響を与えてくれたすべての人々にも、改めて感謝します。
ありがとう、スティーブ・ジョブス。
それにしてもあまりに早い・・・。
残念でなりません。