頭の中はこんなもんです。
中小零細企業のIT化が進まない理由 / 2012年1月29日
「日本の中小零細企業のIT化がなかなか進まない」ということが言われてそれはそれは久しくなるけれど、今も状況は遅々として進んでいないように見える。
中小零細企業のIT化が進まない理由は、クラウドか?パッケージか?独自開発か?といったサービスの形態ではなく、何をIT化するか?というドメインの問題でもなく、コストでさえないと考えている。
では、何が原因か?
僕の感覚では、「中小零細企業(の幹部クラス)とIT企業との間に 接点がない」事につきる。と、思うのだ。
別の言い方をすれば、「中小零細企業(の幹部クラス)には、ITに関して興味も信用もない。」と言ってもいいと思う。
IT化した姿は、企業の経営陣である団塊の世代以上の年齢の人には、製造機械を導入するのとは違ってなかなか具体的な絵として想像しにくい。
効率化で得られる経済的なメリットも、IT企業の営業が数値を見せても、売らんがなの営業トークと思われてしまうのがオチである。
以前、NTT西日本が「電話からネットワーク、社内のシステムまで相談にのります」という伊武雅刀さんが出ているCMを流していたが、このCMはまさに電話やファックスという目に見えるサービスをIT化の糸口として、NTTという会社のブランド(信用)で中小企業のIT化を請け負おうとしたものと言える。
そのCMの効果がどうだったのかは知らないが、IT側から中小企業へのアプローチとしては、とてもわかりやすかったのではないか、と思っている。
しかし、いかんせんNTTである。
NTT自体に中小企業のIT化をサポート(実際にヒアリングし、プログラムを設計/構築/テスト/運用)する人員がいるわけではない。
すべて関連会社やその下請け/孫請けの会社へまわされる。
ただでさえNTTのような大企業は利幅の大きな取引しかしないのに、中小企業の発注するような小さな案件が関連会社や下請け孫請けに付け回されたのでは、割高なものとなり、費用対効果でいいシステムとは言いがたいものになってしまう。
本来であれは、事業規模が小さい中小企業は、同様に事業規模が小さく、フットワークの軽い中小のIT企業と組む事で、事業規模に応じたシステムの開発を適正な価格で行うことができるのだと思う。
しかし、このIT化したい(すべき)中小企業と、中小規模のIT企業の間には、問い合わせてみようという窓口も、話を聞いてみようという興味も、任せてみようという信用もないのだ。
その接点をどうしたら築くことができるのか?
その方法がまだ見えないのだけれど、今年はこの接点づくりに取り組みたいと考えている。
「梅棹忠夫 語る」読了 / 2012年1月16日
小山 修三氏による「梅棹忠夫 語る」(日経プレミアシリーズ)を読了。
梅棹忠夫氏に小山氏がインタビューしたものをまとめた本です。
インタビューというかたちを採っていることもあってか、言葉が平易でとても読みやすく、最後まで一気に読めてしまいます。
しかし、その内容は非常に濃くて、梅棹氏の洞察の深さ、鋭さを十二分に感じることができます。
またその発想や手法は、今の自分たちがパソコンやネットを使う上での使用方法や対峙のしかたまでを指し示しているかのように感じます。
惜しむらくは、梅棹氏がITの活用に関して、具体的な言及を残さないまま他界された事じゃないでしょうか。
武士道を武家の権威主義と切り捨て、明治以降のインテリジェンスをその流れをひいたインテリ道と呼んで毛嫌いした話は、コンピュータを一般の人にも使えるように、とパソコンを発明したスティーブ・ジョブスになぞらえてしまうのは、Macユーザーのひいき目でしょうか?
Macなどのパソコン、iPhoneやiPadなどのコンシューマ向けのモバイルデバイスで、Evernoteなどのクラウドサービスを使う現在のITを、梅棹氏ならどのように活用したのか?ぜひとも聞いてみたいと感じました。
続いて、梅棹氏の「知的生産の技術」を読み始めることにします。
団塊の世代とiPad / 2012年1月14日
おつきあいいただいている会社の社長さん(60代)が、僕がiPhoneを使っている見て興味を持たれ、購入したのが去年の春の事。
これが結構おもしろかったようで、あれこれアプリをダウンロードして、色々チャレンジされていました。
(まぁ、その間はひっきりなしに質問の電話が続いたのですが、その事自体も僕自身楽しくうれしい体験をさせていただきました)
昨年11月にはソフトバンクのアレソレコレキャンペーンを利用して、iPad2まで買ってしまったのですが、これがまた更におもしろかったようで、「これからはこれの時代やな!もうパソコンはいらんようになるかも知れん。」「これ(iPad)に置き換わって行くように思うわ。」「うちの会社のシステムも、これを前提に考えた方がええな」と、興奮気味にまくしたてられてしまいました。
手前味噌になるかもですが、僕がサポートを始めた当初は、「わし、パソコン嫌いやねん。」「本を読んでも何を書いてあるのかわからん。」「パソコンはすぐに古くなって、入れ替えばっかりで無駄な金がっかり使わされる」と言ってた社長が、です。
年始早々には、電波の届きにくかった社長室とご自宅に無線LANの中継局を増設し、AirPrint対応のプリンターの設置を仰せつかりました。(ありがたい事です)
また、売上日報などのレポート類をiPadでリアルタイムに見ることができるプログラムも現在開発中です。
年配の方にパソコンアレルギーが有るのは事実ですが、その原因は、そのアレルギーを取り除く努力がIT業界側に足りなかっただけだと思います。
適切なツールときっかけさえ有れば、年齢など関係なくITが実現する利便性を享受できます。
生活を、仕事を、効率的に楽しく楽にすることができます。
そんなツールの紹介ときっかけづくりの機会を、仕事としてもっともっと作って行きたいと思うのです。
iPhoneのデータ移行 / 2012年1月13日
先日、お客様から「iPhone4を落っことしてしまった!」とのSOS電話をいただきました。
ちょっと遠方のお客様だったので、とりあえず「ソフトバンクショップで破損の程度を確認してもらってください」とお答えして、昨日、フォローの訪問をしてきました。
ソフトバンクショップで相談されたところ、下記のような要件で、新しいiPhone4sに買い替えられたそうです。
- 操作するのに怪我をする恐れがること
- 内部機器の損傷の可能性もあること
- 修理の場合、日数がかかること(iPhoneの場合、アップルでの修理となります)
- 修理費用もそこそこかかりそうなこと(AppleCareには未加入であった)
iPhone、iPadなどのアップル製品の修理はアップルへ持ち込んでの作業となるので、通常の携帯電話のように窓口に全部おまかせとは行かないのが、ちょっと敷居が高く感じるところかも知れません。
実際にアップルストアに相談に行くにしても、事前にジーニアスの予約が必要だったりするところが、お気軽ではなかったりします。
また、アップルストアのスタッフのノリが、いわゆる大阪のベタベタなノリとは全然違うので、なじめないという方もいらっしゃいます。
話がそれましたが、破損したiPhoneはこういう状態。
画面全体にヒビが走っています。
角っこを強打したようで、よく見ると一部のガラスが掛け落ちてきています。
今回は、新しく購入したiPhone4sに、元のiPhone4のデータを復元し、すぐに使えるようにするのが私のミッション。
これを機会に、iCloudで同期もバックアップも自動化して、メンテナンスの手間の低減も一緒に図ることにします。
まず、落っことしたiPhoneの状況を確認します。
幸い、元のiPhone4は電源が入り、パソコンとの同期も問題なくできるようだったので、iPhoneのデータをiTunesを使ってパソコンにバックアップを取っておきます。
次にiCloud導入にあたって、パソコン(Mac)のOSのバージョンが古いので、最新のLionにバージョンアップします。 (3.5Gbほどをダウンロードする必要もあり、バージョンアップには全体で1時間程度かかります)
OSのバージョンアップが終わったら、新OSに対応したアプリケーションのバージョンアップを行います。(この辺りの操作は、Macがほぼ自動でやってくれます)
ここまで準備ができたら、先に取っておいた落っことしたiPhoneのバックアップデータを使ってiPhone4sを復元します。
この復元にかかる時間は、(バックアップされているデータの量によりますが)ほんの数分。
インストールしてあったアプリから、メールの設定まで、ワンタッチで復元されます。
※但し、メールのパスワード等、一部て入力が必要な項目もあります。
最後に、MacとiPhone4s双方のiCloudの設定を行って作業は終了。
カレンダー、連絡先に加えて、フォトストリームも設定したので、MacとUSB接続する手間を省くことができるようになりました。
今回は、OSのバージョンアップで時間がかかってしまいましたが、復元だけなら準備を含めて30分もあればできてしまいます。
もちろん、落としたり壊したりしないのがいいのですが、万が一落として壊れてしまっても、パソコンとのシンクやiCloudでのバックアップが標準でついてくるiPhoneやiPadは、安心です。
ちなみにこのお客様は、「もう2度と落とさないように」と、ストラップが付けられるケースを購入されていました。
「なんにも付けずに使うのがかっこいいのはわかってるだけど・・・」と、かなり悔しそうなご様子でした。