頭の中はこんなもんです。


中小零細企業のIT化が進まない理由 その2 / 2012年2月10日

先日「中小零細企業のIT化が進まない理由」というブログを書いたあとテレビを見ていると、NTT西日本が伊武さんのCMニューバージョン「それっきりIT編」が流れているじゃぁあ~りませんか。

設定は、ITを導入して5年が経過した中小企業。
社長はもちろん伊武さん。で、セキュリティ対策やら諸々のアップデートもされていなくて、「それっきりで大丈夫?」「えっ?だめなの?」「NTT西日本なら…」「任せてみるか!」とまぁブランド力のある大手企業らしくあっさりと任せてもらえちゃいます。

5年間もの間、お客様を放っておいたNTT西日本を酷いと思うか?はたまた、5年もの間なぁんの不具合も出ないITを最初に導入していたNTT西日本を凄いと思うか?は意見が分かれるところではあると思いますが、僕個人的には5年もの間、何の不満や不具合もなかったITって、そもそも使われてたの?って思わなくもないです。

前回のブログでは、「中小零細企業と中小零細IT企業に接点がなく、信頼を得るに至っていない。」と書いたのですが、今回は、んじゃ、それは何故?という事を考えてみたいと思います。

結論を先に言ってしまうと、「システム発注側、システム受注側、それぞれが必要とする階層同士のつながりがない。」
という事に尽きると思うのです。

システム発注側を見ると、日本では製造業が多く、大手の製品メーカーの下に元請け/下請け/孫請け/n次請け・・・と専門に特化した中小の零細企業がピラミッド型に裾野を広げて連なっていて、その裾野の末端に行くほどIT化が遅れていると言えます。

これは、n次請けの企業は、(n-1)次請けの方を向いて仕事をしているという事であり、設備投資やIT化に関しても、(n-1)次請けの意向に添うようにすすめられるのが一般的のようです。

IT化に関して言うと、これでは(n-1)次請けのシステムに準拠したシステムの導入となって、n次請けにとっては、無駄に高機能で大規模(=高額な)なシステムを導入する事につながってしまいます。
(独自で進めるだけのツテもノウハウも、また調べるだけの時間もないのだから致し方ないのですが・・・)

翻ってシステム開発会社側を見てみても状況は同じです。
つまり、大手のシステム開発会社がパッケージのシステムや受託開発案件を受注し、実際の構築やプログラミングは下請け/孫請け n次請けが請け負います。
実際の作業は安い労働力で作られているにも関わらず、業界の構造で最終製品は結構な価格になってしまうという図式です。

零細システム開発会社にしても、得意の分野の仕事に特化して、安定して仕事を受注できるにこしたことはないので、(n-1)次請けからの仕事が中心になり、どんな案件に行き当たるかわからないリスクを負っての新規開拓にはなかなか本腰が入りません。

このように、発注側/受注側の間に多くの余分な階層を挟んでしまっている事が、双方にとって不幸な循環を生んでいるように思うのです。

このシステム発注側とシステム受注側の裾野/階層同士を結びつける方法をなんとか見つけたいと思うのですが・・・。

まずはシステム受注側が裾野(零細企業)同士の結びつきを広げ密にする事。(このことで様々な要件の案件に対応することができるようになります)
その上で、発注側の 口コミや紹介一つひとつに成果を上げて信頼を勝ち取って行くこと。(このことで色々な業界や階層に食い込んで行くことができます)
それが唯一の方法なのかな、と思う今日この頃なのです。

 

 

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